伊吹山の山小屋独自の「保護柵」への疑問


■一見華やかで、多くの観光客やハイカーが立ち止まる場所ですが、よく見ると不自然な点がいくつかあります。



@ランダムに植物が再生するのではなく、特定の植物が分かれて植えられているように見える。(例えばシモツケソウが多い区画、シシウドが多い区画、メタカラコウが多い区画、なにも生えていない区画)

A自然に再生した割には種類が多い

B昨年秋に中で従業員がスコップで穴を掘ったり整地したりしていた(目的不明)

Cシモツケソウが咲いている区画でも乾燥している裸地が多い。








D6月には昨年までここになかったニッコウキスゲが咲いていた。







E山小屋のフェイスブックによると、独自協力金箱(入山協力金ではない)で集めた協力金を使って水やり器を導入したとのこと。本来、霧や雨の多い伊吹山には必要ない。





Fこの柵は「伊吹山を守る自然再生協議会」公認ではない。



■私には、伊吹山の山野草を私物化しているように見えます。あくまで想像ですが、整地した場所に新たに苗を植えたり播種するために水やりが必要になるのではないでしょうか。

■貴重種や地域個体群を隔離して保護するやり方は、他の絶滅が危惧される貴重な動植物でも行われており、必要なことですが、これは、学術的に検証され正しいやり方でなければならないものです。

■この土地はおそらく地元上野地区の共有地で、天然記念物の範囲や自然公園法の特別保護地域からも外れていますので違法性はないと思われます。(財産区は令和2年に解散)



■しかし、違法性がないからと言って、ここは自然公園法の第2種特定地域内であり、自然に対して慎重に扱うべき場所です。一個人がすべきものではないと考えます。

■万一、別の生息場所から植物を移植したり、販売されているものを移植したとしたら、遺伝子汚染や生態系破壊に繋がりかねません。その点で、ニッコウキスゲはどこから持って来たものか知りたいところです。
(伊吹山のニッコウキスゲはシカの食害で壊滅状態ですが、以前に別の山小屋の花壇に伊吹山の本来の生息場所から無断で移植したニッコウキスゲが残っています。そこからならまだマシですが)



■いずれにしても、既成事実化され手遅れになる前に「伊吹山を守る自然再生協議会」の介入を希望します。そうでなければ、一見華やかではあるけれど、客寄せのための巨大な花壇ができあがりそうで、恐ろしい。

■公開されている協議会の議事録を読む限り、協議会メンバーでもある4つの保全団体が声を上げていないのが不思議です。山小屋組合も協議会のメンバーだからでしょうか。

■なによりこの山小屋のオーナーは、今年4月18日ドライブウェイが開通する2日前に、山小屋の特権を利用し通行のうえ、ドライブウェイの立入禁止場所で(協議会が指定した重要種保全区域でもある)、しかもイヌワシの巣の直上で、わざわざ岐阜県側から登ってきたカメラマンと一緒にイヌワシを撮影しようとしていた人物。関係者からの指導にも従わなかった人物。



■そのようなヒトが真剣に自然保護について考えているとは思えない。この点についても「協議会」の中で議論いただけるよう希望します。



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