令和元年7月15日 花が少ない伊吹山


■今年は何らかの事情があって、頂上台地のシカ防護柵(AF規格柵)がボロボロであったり、網が上げられていなかったりして、シカに荒らされ放題(特に東遊歩道エリア)で、なかなか行く気がしないのですが、三合目のユウスゲが見頃の時期でもあって、早朝から登ることにしました。

■しかし、頂上台地には花は少なかった。去年の今頃と比べても、例えば、クガイソウが咲き始めても良い頃なのに、一輪も見つけることができませんでした(注:後日少ないながらも咲いていました)。ハクサンフウロやエゾフウロもありません。今年は涼しい夏となっているので、少し遅れているのかもしれませんが。一方で、西遊歩道でもシカの足跡があったりして、非常に不安です。かろうじて、シカが好まないキンバイソウが咲き始めていました。

■今日13時から、いつも車を置かせてもらっている薬草の里(ジョイ伊吹)で、「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」主催の「ユウスゲまつり」の講演会が開催されることとなっており、ちょうど下山時刻でもあって、講演会のみ飛び入りで参加させていただきました(参加費500円)。事前に希望された方はこの後、バスで3合目のユウスゲ観察会に出かけられました。

■講演会では、モデルでフィールドナビゲーターの仲川希良(きら)様の山での体験談を中心としたご講演がありました。北アルプス表銀座縦走の写真や体験談、山小屋やテント泊でのくつろいだ様子など、私が経験したことのない憧れの世界を覗かせていただきました。

■その後、山と渓谷社山岳図書出版部長で伊吹山アドバイザーの萩原浩司様、「守り育てる会」会長の高橋様、仲川様の座談会がありました。萩原様が壇上でご紹介くださった写真で、ユウスゲの保護柵によって、年を追って今日私が見てきたような素晴らしい群落となる様子が手に取るようにわかりました。また、高橋様のお話では、苦労して設置された柵の効果や、私が普段懸念している登山道の荒れ方やシカの害について、おそらく私以上に心配されていることがよくわかりました。普段から苦労されている方の言葉は重いと思います。今年の頂上の柵が不十分だからと文句ばかり言ってもいられません。頂上ではボロボロの網に変わり新しい網の設置も少しずつ進められており、来年こそはと期待します。

■麓からの伊吹山。雲に覆われている。


■登山口 05:04


■霧の中を二合目 05:39


■近くにホオジロ


■足下にはウツボグサ


■三合目ユウスゲ保護区 06:08





■夕方に咲く花ですが一部咲いている。








■三合目からの霧に霞む伊吹山 06:11











■咲いているのは網の中だけ。








■少し霧が晴れてきた。


■頂上台地西端に違和感


■規制線の外側であるはず。イヌワシ撮りか?


■六合目くらいからは雲海を下に。


■雲の層が二層に分かれている。


■この写真の中にシカ


■小さくオスジカのシルエット





■鈴鹿山脈北部も雲に隠れる。








■平等(行道)岩の祠にもシカ





■頂上台地中央部





■北部も雲に隠れる。


■ボロボロの網と・・・


■新たに設置された網(東遊歩道)


■光らないオバボタル。この時期、夜にはヒメボタルが乱舞。


■無造作に置かれた取り外された古い網


■去年にはニッコウキスゲが咲いていた場所


■新しい網は下部が白い糸で紡がれている。補強?


■網に沿ってシカの足跡が続く(内側)。柵網の下部に黄色のロープ。シカの角による持ち上げを防ぐため?


■笹又を見下ろす谷にではシカがくつろいでいる。


■金属柵の中だけ青々と草が茂る。


■遊歩道も足跡だらけ。


■新しいAF柵の網が置かれている。


■北斜面の灌木帯付近の「シカ牧場」







■もうすぐサラシナショウマが咲くはずの斜面。


■駐車場横の断崖


■ここにはシカが登れない。














■西遊歩道にも花が少ない。





■動物の踏み跡で崩れた斜面


■遊歩道から見える北側の小尾根の裸地にもシカ





■伊吹山はカタツムリの宝庫











■シモツケソウ保護区。花はもう少し先。


■動物の気配があちらこちらに。





■網がなければ植生が守れない。





■不十分な柵




















■ニッコウキスゲは山小屋の花壇の中だけになってしまった。


■複雑な心境のまま下山開始 09:14





■再び三合目ユウスゲ保護区








■杓子の森経由





■下山完了11:35


■ユウスゲ祭りの講演会場


■仲川希良様


■ユウスゲ保護の変遷


■座談会 伊吹山の魅力


■シカの害と人の踏み込みによる登山道の荒廃


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