■「伊吹山を守る自然再生協議会」は、灌木などシカが隠れる場所が多く追い出しが難しい頂上台地の東エリアでは、既設の柵の補修はやめて、狭い範囲を囲む「スポット防護柵」で最小限の植生を守り、その代わり、これまでの中央と西エリアの境の柵を撤去し、中央から西側の柵の補強。ちょうど台地の西半分(これまでの中央+西エリア)を手厚く守る方針に変更されたようです(関係者の話)。
■ところが、確かに西側の大部分では鉄柵で柵の補強がされていましたが、実際には西エリアも、シカが食べない植物を除いて、ほとんど花が咲いていない状態でした。これまでにも増して荒れた斜面。酷い状態です。自然再生協議会の皆様がこれまで様々な対策をし、努力されてきたのに非常に残念です。この原因も周回するうちにわかりました。
■また、山小屋「え●●や」が立てた中央のスポット柵の中に、そこには生えていないはずのニッコウキスゲが咲いていました。柵の中も人為的に整地されています。平成30年頃までは、東エリアの一部スポット柵の中にわずかに残っていましたが、その後なぜか柵が取り払われた後、消滅しました。いったいどこから持ち込んだのか疑問を持ちます。協議会が認めているのかもしれませんが、他の山域や園芸種を植えたとしたら、伊吹山のニッコウキスゲに遺伝子汚染が起こりかねない。もしくは、過去に別の山小屋が勝手に(一般には盗掘と呼ばれる行為で)伊吹山の別の生育場所から花壇に移植して(と別の山小屋関係者から直接聞いた)現存するニッコウキスゲを移植したのだとしても、山野草の私物化ではないでしょうか。
■種や地域個体群を保存する意味があるとしても、さらには個人所有の土地であっても自然公園法が適用される国定公園内(第2種特別地区)であり、それは専門家が委員にいる自然再生協議会の合意の上でなければならないはずで、素人の勝手な判断であってはならないと強く思います。合意の上でしょうか? なお、他の山域から持ち込んだか園芸種を疑う理由は、かつて盗掘の上、植えられた現存する花壇のニッコウキスゲはすべてつぼみだったからです。