令和6年6月22日 花が最も少ない初夏の伊吹山と山小屋が設置した柵の中の奇妙な花


■「伊吹山を守る自然再生協議会」は、灌木などシカが隠れる場所が多く追い出しが難しい頂上台地の東エリアでは、既設の柵の補修はやめて、狭い範囲を囲む「スポット防護柵」で最小限の植生を守り、その代わり、これまでの中央と西エリアの境の柵を撤去し、中央から西側の柵の補強。ちょうど台地の西半分(これまでの中央+西エリア)を手厚く守る方針に変更されたようです(関係者の話)。


■ところが、確かに西側の大部分では鉄柵で柵の補強がされていましたが、実際には西エリアも、シカが食べない植物を除いて、ほとんど花が咲いていない状態でした。これまでにも増して荒れた斜面。酷い状態です。自然再生協議会の皆様がこれまで様々な対策をし、努力されてきたのに非常に残念です。この原因も周回するうちにわかりました


■また、山小屋「え●●や」が立てた中央のスポット柵の中に、そこには生えていないはずのニッコウキスゲが咲いていました。柵の中も人為的に整地されています。平成30年頃までは、東エリアの一部スポット柵の中にわずかに残っていましたが、その後なぜか柵が取り払われた後、消滅しました。いったいどこから持ち込んだのか疑問を持ちます。協議会が認めているのかもしれませんが、他の山域や園芸種を植えたとしたら、伊吹山のニッコウキスゲに遺伝子汚染が起こりかねない。もしくは、過去に別の山小屋が勝手に(一般には盗掘と呼ばれる行為で)伊吹山の別の生育場所から花壇に移植して(と別の山小屋関係者から直接聞いた)現存するニッコウキスゲを移植したのだとしても、山野草の私物化ではないでしょうか。


■種や地域個体群を保存する意味があるとしても、さらには個人所有の土地であっても自然公園法が適用される国定公園内(第2種特別地区)であり、それは専門家が委員にいる自然再生協議会の合意の上でなければならないはずで、素人の勝手な判断であってはならないと強く思います。合意の上でしょうか? なお、他の山域から持ち込んだか園芸種を疑う理由は、かつて盗掘の上、植えられた現存する花壇のニッコウキスゲはすべてつぼみだったからです。


■かつて、私はこの柵の設置もシカに荒らされる伊吹山を見て、やむにやまれず作られたものと思い、山小屋独自の協力金箱にも支援してきました。しかし、この山小屋の主人は、平気でローカルルールを破る人物です。

■今季ドライブウェイの下にイヌワシが営巣してしまったことから、昨年までイヌワシカメラマンがローカルルールを無視し大挙してガードレールの外に出てカメラを構えていた場所に、米原市とドライブウェイがヒト侵入防止柵を開通直前に設置しました(このヒトたちは柵がなければ立入禁止場所に侵入する、まるでエサを求めて侵入するシカと同じ、いや、シカは生きるためにやむを得ず侵入すしているので同等ではない)。それにもかかわらず、開通直前の4月18日に、岐阜県側の笹又地区からわざわざ登り、歩行禁止の看板を無視しドライブウェイを歩いてきたカメラマン3人と一緒に巣の直上で長時間カメラを構えていたことが発覚しています。イヌワシを守りたいと願う人たちの思いを踏みにじる行為です。

■この「え●●や」の主人は善人であると思い込んでいましたが騙されました。柵の設置と、植物の移植については合法かもしれませんが、やっていることにマナーを感じることはできません。協力金箱も紛らわしく、協力するのは自由ですが、自然再生協議会のものと混同しないように注意してください。








■柵が設置されたため、ガードレールを歩いて外に出ることはなくなったが(別のポイント2カ所では柵はなく未だにルールを無視して平気なカメラマンがいる)、柵の末端のドライブウェイ駐車場入り口付近には人集り。先日、幼鳥が予想に反して早く巣立ちした。今後幼鳥を狙うカメラマンが増えることが予想できる。自分も幼鳥を見て写真に納めたいが、この人集りの中に入る気はしない。(この日は霧がかかっており人は少ない)聞くところによると未だにここから柵の中に入ろうとするヒトがおり、周りの人から注意されているらしい。ガードレールの外に三脚の足だけを出すヒトも同じ。ガードレールの外の崖はチチブリンドウなどの貴重種が生息場所だが、ルールを守らないヒト達によってシカが増える前から踏み固められた。


■駐車場の山側断崖にはシカが立ち入れず、なんとか多様性を保っている。この崖にもオオバギボウシが残っている。


■シカが食べないクサタチバナは多い


■断崖に咲くヒヨクソウ

















■人工の断崖が最後の砦か





■外はほぼ完全にシカの不嗜好植物だが、中も酷い


■これまでに最も酷い荒れ方


■柵は金属柵で補強されているが


■シカの踏み荒らしが確認出来る


■ゆりかご作戦





■キリンソウ? シカが食べない


■これはなんだろう


■シカがあまり好まないサラシナショウマ?


■クサタチバナの群落





■花がない


■草の背丈が低い


■擬木に隠れるように咲くイブキトラノオ


■裸地化した南斜面西側の尾根





■固有種 コバノミミナグサ


■山小屋花壇?の金網で保護されたニッコウキスゲの生き残り。山小屋が勝手に南斜面から移植(と山小屋関係者が言っていた)。ただし、今はここでしか見つからない


■山小屋え●●やが立てた柵 確かに植生は豊か。国定公園第2種特別地区であるが、これには工作物設置の許可はいらないのか? それとも許可済みか?


■しかし、ないはずのニッコウキスゲが整地された上に植えられている。これまでこの場所で見たことがなかった。


■柵の中の別の場所で咲いているニッコウキスゲ。どこから持ち込んだ? 協議会合意の上か?


■南面の柵が倒れている


■柵が倒れシカと思われる獣道も出来ている。中央と西との境界の柵が撤去されたため、ここから西の端まで自由にシカが行き来できる。獣道は自分の後ろにも続いている。中央と西の境界の柵を撤去したのは時期尚早ではなかったか?





■東エリア








■スポット防護柵





■東エリアにはシカが入り放題








■新たに作られたイブキトリカブトとサラシナショウマ群落の鉄柵。シカは不嗜好植物まで食べるようになった。


■再び駐車場の崖






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