伊吹山を中心に写真を納めました。
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湿地
令和4年6月19日 山室湿原の可憐な花とハッチョウトンボ
令和2年8月22日ひるがの湿原植物園
平成31年3月10日今津のザゼンソウ
平成30年9月16日池ノ河内湿原
平成29年6月18日山門水源の森
平成29年4月30日山門水源の森
平成29年4月1日 中池見湿地
平成29年2月4日 三島池と伊吹山
平成29年1月22日雪の山門水源の森
平成28年11月3日秋の山門水源の森
平成28年10月8日山門水源の森2050シンポジウム
平成28年9月25日山門水源の森現地交流会
平成28年7月31日山室湿原
平成28年6月4日山門水源の森
峠
平成28年9月25日山門水源の森現地交流会
■滋賀県森林政策課主催の山門水源の森交流会へ参加してきました。
■午前中、琵琶湖博物館の学芸員林竜馬さんのご講演の後、午後から「山門水源の森を次世代に引き継ぐ会」の皆さんのガイドにより現地をご案内いただきました。
■林さんのご講演の内容は、かなり専門的なものでしたので、理解できたとはいえないのですが、印象にのこった内容を記しますと次のようになります。
・400万年の歴史のうち琵琶湖が今の位置になったのは43万年前で、琵琶湖には水深の2.5倍の約250mの泥が堆積している。そこに含まれる花粉の化石を分析することにより、長期的な植生の変化がわかる。
・山門湿原は4万年前から形成され、19.8mの泥が溜まっている。
・安定した気候が続くよりも変動を繰り返した方が多様性が高い植生になる。
・人間の森林利用・収奪によって、常緑広葉樹林に遷移するまでにアカマツ林やコナラなど落葉樹林に事実上コントロールされる。
・今は人間の利用(薪炭など)がなくなって、常緑樹林が増えている。京都の東山、大津、近江八幡などではシイの木が拡大している。
■一方、現地での引き継ぐ会藤本理事による解説で印象に残ったのは次のようになります。(一部聞き間違えがあるかもしれませんがご容赦を)
・笹は人間が刈り取りした方がその後の再生が順調。
・海岸性のタブノキがなぜかここにある。
・鹿はナツツバキ、ノリウツギ、リョウブ、エゴノキが好き。皮が剥ぎ取られる。
・30ヶ所に炭焼き跡がある。
・北部湿原が灌木帯になりかけたのは、ゴルフ場用の芝を栽培するために業者が埋め立て、それが県にばれて中止になったが放置されたため。それを元に戻すために述べ1000人が10年かかって伐採した。一部、ミヤマウメモドキは貴重なのでそのままに。
・中央湿原のサワランはかつて盗掘にあい、今も少ない。
・数年前の二年間、ユネスコ未来遺産(だったと思います)に申請したが、鹿防除ネットがあるために選ばれなかった。そんなものに申請しても意味がないと止めた。
・尾根近くのブナ林が鹿の集中攻撃にあっており、防除のためのネットを張っている。高いところにあるため資材を運ぶだけで重労働。
・南部湿原はミツガシワの一大群落であったが、鹿やイノシシの害により、2010年にはほぼ壊滅状態となった。今はネットで囲んであるので、復活しつつあり来年辺りは咲き誇る姿が見られるはず。
■その他、ヤマナラシの名前の秘密、この辺りでは珍しい凍裂、鹿が塩分補給する場所、ナラガレと猛毒カエンタケの関係など、参考になる話、楽しい話など満載でした。実際は言葉で書くより冗談交じりのとても楽しい解説でしたので、是非機会を見つけてガイドを申し込まれることをお勧めします。ガイドの方は他にも何人かおられ、それぞれで違った話が聞けるかもしれません。
■最後に個人的にとても参考になったというか、驚いたことにギフチョウが見られなくなったことです。鹿の食害が顕在化するまでは、幼虫の食草のカンアオイの群落があり、ギフチョウもたくさんいたとのことですが、今は鹿にカンアオイが食べられその群落が壊滅したためギフチョウも全滅したとのことです。
■一度バランスを崩した生態系によって、貴重な生物の地域個体群が絶滅するという、残念ながらですが貴重な事例となっています。
■そういえば、伊吹山では数年前までたくさんいたウスバシロチョウがほとんど見られなくなったような気がします。
■鹿の害を防除するには多大な資金と労力が必要です。私のようにボランティアに参加できない者のできることとして、協力金があります。是非、皆様にもご理解をいただきたいと思います。今や多様性を維持するには人の手が必要です。自然任せでは貴重な個体群も絶滅するなど多様性が失われてしまいます。
■現地での全行程3.8km、2時間43分
■集合場所に向かう前、時間があったので塩津の「大川」という小さな川を覗くと一面産卵に来たあゆだらけでびっくりしました。
■午前中の会場の西浅井公民館
■琵琶湖博物館林さんのご講演
■講演のあと、事前に申し込んでおいた「ビワマス弁当」を食べ、用意されていた観光バスで水源の森へ。
入り口で、外来植物を持ち込まないために靴底を洗います。
■楽舎(まなびや)前のビオトープのサワギキョウ
■ヒツジグサ(たぶん)
■藤本理事の解説を聞きながら湿原の横の遊歩道から四季の森へ向かいます。
■湿原から流れ出る沢水
■スズメバチ女王が巣を作る前に捕獲するためのトラップ
■笹の葉に見えるのがササユリでその先端に種の袋が付いています。11月頃に種を取り蒔くそうです。場所によって花の色が違うため、採った種はその付近に蒔くそうです。
■鹿に皮をむかれたナツツバキ。ナツツバキは自分で治癒する能力があるそうです。
■炭焼き小屋跡を教材のため復元したそうです。
■のべ1000人のボランティアが復元した北部湿原
■鹿よけの柵が張り巡らされています。
■ヨシが優占する中央湿原
■ミツガシワが鹿よけの柵により復活しつつある南部湿原
■四季の森コースへ入る前に少し休憩。その間にも藤本理事の楽しいお話。
■旧山中牧場
■四季の森はまもなく
■四季の森の広場。紅葉が見事らしいです。
■水が地面から湧いて出てきます。
■大岩は土石流の名残
■かつて薪炭のため伐採した跡(「ヤマオヤジ」by今森光彦氏)。この奥に鹿がミネラルを補給する場所があるそうです。
■明るく気持ちの良い森です。
■ユキバタツバキの解説に耳を傾けます。
■雑木伐採後の植生の変化を実験。柵で囲うと多様な植生に。囲わない部分は鹿の食害により貧弱な植生となるそうです。
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