平成28年6月4日山門水源の森 滋賀北端の高層湿原 ササユリがたくさん。しかし、ここにも鹿による食害が・・・


■10年ほど前に訪れたことがある山門(やまかど)水源の森へ。以前は気にもとめていませんでしたが、ここでもやはり獣害について考えさせられました。この辺りは日本海側の季節風の通り道で、冬には積雪が多く、鹿にとっては厳しい環境のはずですが、やはり温暖化の影響でしょうか?鹿が増えているようです。

■自然の遷移の過程と考えるならば致し方ないとも考えられますが、温暖化が人間活動の影響を主因とするならば、失われる貴重な生態系を守るのも人間の役目かとも思います(このように言っている私もここまではガソリンを焚いて来ています)。一度消滅した動植物の地域個体群は別に保存をしておかない限り二度と蘇りません。琵琶湖の外来魚問題と同じように難しい問題です。

■かつては地元の方たちの生活の一部を担う里山として手入れされてきたようです。それも炭焼きの衰退とともに植林以外は手入れされなくなったようです。その後琵琶湖の貴重な水源の一つとして、ゴルフ場開発の危機をも乗り越え、平成10年から行政による整備に続いて、地元の方々を含む、多くのボランティアの方々の長年の努力により復元と保全が続けられています。こうして気持ちよく散策できるのも、このような皆様の努力のおかげです。

■環境保全協力金(200円)徴収の取り組みがされています。是非多くの方々にお越しいただきたいと思います。参考文献 「山門水源の森 里山の再生と保全の10年」山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会編 サンライズ出版(2010) HP http://www.digitalsolution.co.jp/nature/yamakado/

■最高点標高513m(下図ルートの左端)、全行程5.5km、2時間10分            
電子国土
                                             
■駐車場(斎場駐車場の一部)に車をとめ、森の楽舎(まなびや)へ向かいます。








■ササユリも金網で囲われています。


■楽舎で案内人の方に促され、入山届への記入と協力金をお支払いしました。楽舎前のビオトープを通り抜け尾根の登山道から入山しました。案内人の方からちょうどササユリの季節であることと、ハッチョウトンボを3頭確認したことを教えていただきました。


■網で囲われたササユリ群落


■網の間から撮影


■所々りっぱな案内板が設置されていました。





■明るく綺麗な緑。しかし、下層植生がほとんどない、最近の鈴鹿と同じような感じに。











■アカガシの森



■こちらはブナ


■いたいた。大阪市内出身の私にとって、子供に頃の憧れた昆虫たち。


■カエデ


■ジョーズ岩と名付けられています。





■森林浴には最適


■伊吹山が見えます。今日は曇りで夕方から雨の予報です。


■奥にうっすらと鈴鹿の霊仙








■最高点にある守護岩。八百万の神様、いつもありがとうございます。





■最高点からの下りで、網囲いによる笹原再生試験が行われていました。柵の内側と外側を比較すると、ニホンジカの食害の様子がよくわかります。ニホンジカの個体数管理は本当に難しいようです。猟友会の方々も高齢化が進んでいますし。











■ここまで周回コースのブナの森コースを来ましたが、途中の分岐から四季の森コースの途中まで往復しました。写真は中央湿原の源頭部で、細流がありました。


■何ともいえない配色。焼き上げたピザのよう。





■旧山中牧場方向


■いたいた。昆虫をみると思わず手にとってしまいます。ごめんなさい。小さな雄のクワガタ。(もちろん動植物の採集は禁じられています)





■湿原まで下りてきました。


■南部湿原


■モリアオガエルの卵塊。その下にはほとんど水がありません。どうなってしまうのか心配。


■中央湿原


■湿原も網で囲われています。植林もテープが巻かれています。





■北部湿原。これまで見てきた湿原のほとんどが、人の手によって再生されたものです。しかし、貴重なミツガシワもニホンジカやイノシシにより激減したそうです。参考「山門水源の森」


■湿原を後に、沢伝いの道を経て戻ります。残念ながらハッチョウトンボには出会えませんでした。





■何かいる?








■イモリ(アカハラ)でした。








■楽舎に戻りました。その前のビオトープで多くの方々が手入れをされていました。











■楽舎に下山届をしました。ビオトープを作るにあたっても、種子採集から湿原を壊さないよう配慮がされています。


■タゴガエル


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